「子どものやる気を引き出す7つの質問」を読んでみた
私がジュニアバレーのコーチをするに当たって、一番気をつけたいと思っていることがあります
それは監督・コーチの指導によって子どもたちを萎縮させてしまうこと、やる気を失わせてしまうことです
せっかくバレーという競技を選んでくれたのだから、楽しく、そして真剣にバレーをやってもらいたいと私は思っています
ただ実際に、現場ではその指導方法に悩むことも少なくありません
そこで今回は以下の本を読んでみることにしました
この本を読み終えてひとこと言わせてください
みんなこれ読もう!!!
この本を手にしたきっかけ
私自身、中学生時代に選抜チームの監督経験もある先生から指導を受けていたのですが、今でもとても辛い経験として思い出に残っています
親からは、いつもチラチラとベンチを気にして楽しいの?と聞かれたこともはっきりと思い出せます
正直、当時の私にはとてもバレーを楽しむなんてことはできず、思い返せば「どうしたら怒られないのか」ばかり考えていたように思います
神様から過去に戻してあげると言われても中学時代だけは絶対に嫌です笑
指導している子どもたちには絶対に私と同じような思いをしてほしくないと思っているんです
ですが、実際に現場に立って指導してみると、「こうしたらもっと上手くできるのに!」という気持ちだけが先走って子どもたちには意図が上手く伝わっていない気がしました
そこで子どもたちが生き生きとバレーができるような指導方法がないかと思ったことから本書を手に取ってみました
良い指導者とは
ジュニアスポーツの監督・コーチをされている方に質問です
良い監督・コーチの「定義」を考えたことはありますか?
私は本書を読むまでは、「子どもたちにきちんと技術指導ができる人」だと漠然と考えていました
漠然とというのは、きちんと意識したことがなく、後から考えると自分の考えはこれに近いかもと思ったからです
著者である藤代さんも本書の中で従来はこのような考えだったとのことでした
しかし、藤代さんは良い指導者というのを思い返した時にこう気づいたとのことです
以下、本書からの引用です
考えてみれば、身近にいる優れた指導者、コーチはみな、子どもたちに一方的に技術を教えるのではなく、会話を重ねることで自発的なやる気を引き出していたのです
子どものやる気を引き出す7つの質問_旬報社_藤代圭一
監督・コーチはただ技術指導のみをする人じゃないってことですね!
続けてこう記されています
コーチとは「その人が行きたいところに行く手助けをする」サポーターであること。そのためには質問をしてその人の心や考えを知らなければならないこと。結局答えはコーチング対象(スポーツの場合なら選手)の中にしかないという気づきは、私の指導のあり方を一変させるものでした
子どものやる気を引き出す7つの質問_旬報社_藤代圭一
コーチが、いくら優れた技術を持っていようと子どもたちの自発的なやる気を引き出せなければ、コーチングは上手くいかないのです
やる気を引き出す「しつもん」
本書では、このやる気を引き出す方法として「しつもん」が使われます
本書では漢字で書く「質問」とひらがなで書く「しつもん」が明確に分けられています
「質問」は、相手を問い詰めるような詰問、尋問や誘導尋問など様々な形態があるのに対し、「しつもん」は相手の心を正しく引き出すことにあります
本書における例題を紹介します
コーチであるあなたは選手に声を掛けます
①なんであのときパスしたの?
②あのパスを出したとき、どんなことを考えていたの?
あなたならどう声をかけますか?
・
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・
・
本書を読むまでの私であればまず間違いなく①ですね...
その言葉を掛けた上で、続けて「あの場面はこうプレーすべきだった」と指導していたと思います
①の質問は、パスをしたこと、そのパスがミスにつながったことを咎める響きを持っています
一方で、②については、子ども自身の心の中にしか答えはありません
出てくる答えは、選手の正直な気持ちですから、そのときなにを考えてプレーしていたのかを知ることができます
指導者は、この答えを受けて「どうしたらよかったと思う?」と次の「しつもん」で会話を続けることができます
この会話で、ミスの原因を選手自ら追求し、対策法や改善法も自分で考えるきっかけを与えるチャンスが得られたというわけです
まさに、子どもたちの自発的なやる気の出現をしつもんによって促しているんです
まとめ:しつもん力を鍛えて子どもたちとコミュニケーションを図る
ここまで、本書の内容を紹介してきましたが、実はこれ、まだ冒頭の十数ページの駆け出し部分なんです
たったこれだけでも確かに!
と思い当たる節がありませんでしたか?
本書ではこのほかに「しつもん」を行うに当たってのルールや具体的な「しつもん」の例が説明されています
また、「しつもん」によって変わるのは子どもたちだけではなく、指導者や保護者も変わることが示唆されています
「しつもん」の奥深さを知るにはまだまだこれから読み進んでいかなければいけないというわけです
私自身、この「しつもん」を意識してから少し子どもたちとのコミュニケーションの仕方が変わったように思います
子どもたちもミーティングで随分と意見をしてくれるようになりました
それと同時に改めて認識したことがあります
以前の記事で紹介した「子どもは小さな大人ではない」という言葉です
子どもたちは監督やコーチが思う以上に指示の理解が足りていないことや、出した指示を覚えていないことも多いんだなということがわかりました
これは自分が「しつもん」を実践して得た非常に価値ある瞬間だったと思います
以上、「子どものやる気を引き出す7つのしつもん」を紹介しました
ジュニアスポーツの監督・コーチは必読の一冊となっています!!
この記事で紹介したのはこちら!